・【現状に乗っかってしまうより「逆・タイムマシン」】佃 和憲 さん
・【もう一度、プラトン『国家』を読みたくなりました】武藤 稔 さん
・【名作大河ドラマのような経済学史】佐藤優生 さん
・【戦前・戦中の「改革」を知っていれば!】シャタイン さん
・【心の持ちようを教えてもらえる講義】めーの さん
・【音楽を聴きながら学べるぜいたく】カルボラ さん
・【専門が違う先生が、忖度なしに突っ込むおもしろさ】崎山和夫 さん
・【本当の知性は明るいものを見せてくれる】ココナッツ さん

現状に乗っかってしまうより「逆・タイムマシン」

佃 和憲 さん
楠木建先生の「逆・タイムマシン経営論で見抜く思考の罠」シリーズがおすすめです。経営学の話になっていて、直接仕事に関係がないのですが、発想がユニークでほかにも適応できると考えます。
先生は過去記事を読み返したときに、そのときトピックや議題になっていたことが、今から考えれば的外れでブームに乗っていただけでまったく理論的でなかったということや、話題になっただけでまったく正しくなかったりしたことを示されています。いろいろニュースになったことも、その後のフォロー記事がなく、結局どうだったのか、現在どうなっているのか(現在、水面下で同レベルで進行しているのか、まったく消失してしまったのか)など気になることがたくさんあります。
現状に乗っかってしまうよりも、未来から見た現状の解析を行なった場合に、同様な結論がありうるということを考えながら進んでいくということに思い至りました。
(編集部より)
知らず知らずのうちにブームに乗っかって判断を誤ってしまう……。これは、誰でも陥りがちな罠でしょう。それを避けるための「逆・タイムマシン」。この楠木先生の発想は、本当にユニークです。とかく日本人は「熱しやすく冷めやすい」ともいわれますから、重々、気をつけたいものです。(達)

もう一度、プラトン『国家』を読みたくなりました

武藤 稔 さん
納富先生の「プラトン『ポリテイア(国家)』を読む」です。
先月、プラトンの『国家』を読みましたが、なかなか理解し難い箇所(たとえば洞窟の比喩やソクラテスのいう男女同等の話、ギュゲスの指輪の話など)があり、先生のお話で納得いくこともあり、とても参考になっています。
もう一度『国家』を読みたくなりました。さらに、続くシリーズを楽しみにしています。
(編集部より)
私も、プラトンの『国家』を岩波文庫で読んだとき、「洞窟の比喩」などは、いま一つピンときませんでしたが、納富先生のこの講座を収録しながら、「目が開かれるとはこういうことか」と電流が走りました。まさに読む前に学んでおきたい、必見講座だと思います。(達)

名作大河ドラマのような経済学史

佐藤優生 さん
たとえはふさわしくないかもしれないが、名作大河ドラマを観るような充実感を覚えたのが、柿埜真吾先生の「本当によくわかる経済学史」である。
思うに、名作ドラマの条件は、ストーリーに明快な筋が通っていること、登場人物が魅力的であること、登場人物の人物造形が明確でそれに対する評価もわかりやすく伝わってくることなどであろう。それとの比較でいっても、この柿埜先生の講座は、柿埜先生のご主張に基づくと思われる「筋」が一本通っており、評価軸がブレず、それゆえ登場する経済学者たちも生き生きと映える。
とかく概説になると、「あれは、こう」「これは、こう」といったあらすじの羅列になりがちである。だが、柿埜先生の講座は視聴していて、全体のストーリーとしておもしろい。私自身は、必ずしも柿埜先生のご主張に全面的に賛成というわけでもなさそうだが、しかし、やはり筋が通っているからこそ、とてもわかりやすい。
「経済学史講座はこのようにあるべきだ」といえる講義だと考える。
(編集部より)
名作大河ドラマとの比較は、とても興味深いです。併せて、「名作とはいい難いドラマ」を反面教師にすると、講座のあるべき姿もよりクッキリ見えてくるかもしれません。柿埜先生の本講座では、ヒトラーの経済政策の非を論じたときの「熱さ」(第12話)も忘れられません。(達)

戦前・戦中の「改革」を知っていれば!

シャタイン さん
片山杜秀先生の講座のファンです。最初は「クラシックで学ぶ世界史」がとてもおもしろく、そこから片山先生の講座がスタートするたびに楽しく見ています。いずれも、片山先生の膨大な知識とこだわりがあふれ出して、とても興味深い内容ばかりなのですが、今回、1つ挙げるとすると「近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質」でしょうか。
私は日本史はまったく詳しくないので、この講座で片山先生がおっしゃる「無任所大臣」の話や「挙国一致内閣は本当は弱体」「山崎丹照の強力政治構想」「戦時中の省庁再編の大失敗」など、知らない話ばかりでした。しかし、先生のお話を聞くにつれ、過去にもいろいろな思いと改革策があって、しかも実際に失敗を重ねてきた歴史があることが、よく理解できました。
この講座を見ながら、平成以降に繰り返されてきたいろいろな「改革」は、いったい何だったのだろうということも考えました。過去の失敗をしっかり学んでいれば、今みたいなことにならなかったのではないか、とも思います。
歴史を学ぶ大切さ、おもしろさを、さらにいえば歴史のリアリティを、あらためて教えていただいた講座でした。
(編集部より)
歴史を知っているか知らないかが、失敗を避けられるか否かの「分かれ道」になることも多いものです。しかしそれにしても、この講座で片山先生が挙げてくださったことを知っていた日本人が、どれほどいたでしょう? そう考えると、学ぶことの大切さが身に染みます。(達)

心の持ちようを教えてもらえる講義

めーの さん
興味はそのときの環境もあると思います。私の場合、少し前に母の在宅医療が始まったとき、この先はどうなっていくのかという不安の中、太田差惠子先生のご講義で心の持ちようを教えていただきました、在宅医療に関する書籍も読みましたが、文字のみと、目と耳から入ってくるのでは、まったく違います。
母亡き後は、橋爪大三郎先生や、頼住光子先生の魂や仏教について……などは、特に興味を持って拝聴しました。
すべての講義が素晴らしい内容ですが、私は先生方が影響を受けた書籍、人生の方向を示してくれた書籍、ご自身のご著書などに興味があります。テンミニッツTVを拝聴するほどに読みたい本が増えていき、これでは残りの人生の時間が足りないと思うばかりです。
テンミニッツTVによって、知らなかったことを知る喜び、知ったことをえばって他人に教える喜び、つまらないテレビを見なくても、友人がいなくても、出かける先がなくても、テンミニッツTVのおかげで精神的な充実感を感じることはできます。
(編集部より)
「文字のみと、目と耳から入ってくるのでは、まったく違います」。まさに、おっしゃるとおりですね。言葉の力が、まっすぐに胸に届くこともあります。また、「残りの人生の時間が足りない」というのは、逆にいえば「楽しみが無限大」ということでもあるように思いました。(達)

音楽を聴きながら学べるぜいたく

カルボラ さん
野本由紀夫先生の「ピアノでたどる西洋音楽史」は、とってもぜいたくな講座だと思います。クラシックが好きなので、これまでもクラシックを解説してくれる本を読んだりしていました。そのような本には楽譜が書いてあったりするのですが、動画の講義だと、実際に音として聴けます。これは驚くほど、よくわかります。しかも、ヴィヴァルディからマーラーまで、学校の音楽教室の後ろに掲げてあったような大作曲家を次々と紹介してくださいます。なるほど、この曲は、こういう仕組みになっていたのか、ということも、聴いているだけで理解が進みます。
音楽をピアノなどで紹介する講座は、動画だからこそのものと思います。ぜひ今後もお願いします。江崎昌子先生のショパンの講座も楽しみです。
(編集部より)
裏話をいたしますと、この野本先生の講義、どの曲をピアノで弾くか、事前にすべて決まっていたわけではありませんでした。テンミニッツTVのインタビューでは、私の即興的な質問に、その場でお答えくださる先生が多いのですが、この講座もそうだったのです。先生方、本当にすごいです。(達)

専門が違う先生が、忖度なしに突っ込むおもしろさ

崎山和夫 さん
興味をひかれた講義はいくつもあって、大いに迷うが、長谷川眞理子先生と松尾豊先生が対談した「知能と進化」を挙げたいと思う。専門が違う先生が、忖度なしに(もちろん配慮はされていると思うが)学問的に突っ込むと、こんなに話が広がって、わかりやすくなるのかと、とても驚いた。
AIについて、世の中でいわれている様々な話は、どちらかというと表面的というか、現象の説明だけというか、聞いても聞いても隔靴掻痒のように感じる。だが、テンミニッツTVの長谷川先生と松尾先生のこの対談で、AIの核心部分がわかったように感じた。もちろん、進化生物学とAIというジャンルの組み合わせの良さもあると思う。
自分自身、「わかった」とは、なかなか自信がなくていえないのだが、「わかったように感じる」ことは、とても大切なことだと思う。テンミニッツTVの講義を聞くと、そう思えることが多い。さらに欲張ったことをいわせてもらえば、今後も、もちろんテーマ次第ではあろうが、違う専門家どうしの対談を、さらにやっていただいたらどうだろうか。
(編集部より)
長谷川眞理子先生が、小宮山宏先生とのご対談講座《現代人に必要な「教養」とは?》などで、イギリスのカレッジでの先生方が集まる食事会のエピソードをお話しくださっていますが、それにリアルに立ち会っているのような講座です。「本当の教養のあり方」を知るためにも最適だと思います。(達)

本当の知性は明るいものを見せてくれる

ココナッツ さん
毎年、1月1日に小宮山宏先生の「年頭所感」を聞くのが、とても楽しみです。日々のテレビの報道番組や情報番組などを見ると、色々な話を、いかにも悪そうにあげつらっていくものばかり。ニュースで紹介される最近の国会質疑も、心の底から嫌な気分にさせられることが数多くあります。あのようなものばかりに触れていたら、社会に絶望して、人間嫌いになってしまうかもしれません。
でも、本当の知性というのは、小宮山先生の講義のように、明るいものを見せてくれるのですね。しかも根拠のない話ではないことが、とても嬉しく感じます。見るものを変えると、社会や人間への視線も変わるものだと、最近、しみじみ思っています。
(編集部より)
「本当の知性は、明るいものを見せてくれる」――とても胸に響きます。昔から「朱に交われば赤くなる」といいますが、人間は相互に影響されやすい存在だからこそ、何に目を向け、どんな知や情報を耳に入れるのかが、本当に大切ですね。(達)


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